戦争だけは反対です!!

 私は自分の仕事に政治的な考えを持ち込むのが好きではないし、政治の話をするつもりは毛頭ありませんでした。だからと言うわけではありませんが、私の周りには自民党、民主党、共産党を支持する色々な方々がいて、食事をし、楽しく飲み、自由闊達に意見を交わしていて、これが又楽しいのです。そして、このワイワイガヤガヤやれるのも戦争をしない国、平和な国だからだといつも思うのです。それがいつの間にか「積極的平和主義」、「戦後レジームの脱却」と言いながら、戦争をするための「安全保障関連法案」がでてきて、正直戸惑ってしまいます。アベノミクスも大会社や一部の投資家たちは恩恵をこうむり始めていますが、国内総生産は目標3%に対して、2%とまだ道半ばですし、アベノミクスで一番大事な第3の矢の成長戦略が具体的になっていません。安倍さんの支持率は経済を軌道に乗せてくれそうなだと言う期待感が大きくて高いものだったと思いますし、時には強引な手法を見せる安倍さんでもまあ一生懸命にやっているのだからと国民は大目に見てきたのだと思います。おまけに東北大地震の被災地の方たちのその後の補償や復興がまだ終わっていない、また福島の原発の問題も片付いていないのに何故、今性急にこれが出てくるのか良くわからないのは私だけでしょうか。

 昨日、韓国から戻るとき、恒例のことながらラウンジで新聞各紙を読み漁っていました。気になっていたのは7月15日に採決を採ると言っていた「安全保障関連法案」がどのようになっているのか知りたかったからです。私が仕事で韓国に行く前に、何度か見ていた国会での与野党のやり取り、野党の質問にまともに何一つ答えず、はぐらかし、浅薄な自己の主張を何度も繰り返す、時には相手を侮辱する有様を見ていて、このような党のリーダーが我が物顔で、これから起こり得る危機管理に冷静に判断できいるのだろうかと、心底心配になりました。というのも、時の政府が状況をみて、戦争をするのかしないのかの判断をする、それを任してくれというのが今回の法案です。昨年の衆院選の投票率を見ると戦後最低と言われた2012年の投票率59%を大幅に下回り、52%になりました。今、調べてみると自民党に投票したのが全体の49%、大凡2600万人、仮にこの人たち全員が戦争の支持者だとしても、全人口の約5分の1ではありませんか。今回は戦争をするかしないかの大きな憲法解釈です。世論調査では81%の人が説明不足、61%人が法案成立に反対の立場をとっています。審議をすればするほど、内閣の支持率も落ち、反対者が増えていると言います。自民党内のかつての大物と言われた人たちもこぞって反対と言っているこの法案を何故強行採決してまで通すのかよくわかりません。新聞を読んでいると、このような稀に見る大きな政治問題は新聞各社の論調が各社ごとにある時は大きく、また微妙に異なるのがよくわかります。朝日、毎日、東京は学者、評論家、読者など様々な意見をまた、国会前のデモの様子も伝えていますが、読売、日経は国会内の事実を淡々と載せています。新聞やテレビは事実を伝え、其々の個性ある論調があっても良いと思うのです。読売・日経は以前問題になった「報道各社への要請事項」があったから自粛しているのでしょうか。あれは丁度選挙前に「テレビへの出演者の選定、発言回数、時間、そのテーマまで公平中立、公正でなければならない」と自民党が報道各社に圧力をかけていました。本当は政府擁護の立場だけれども、今は世論の戦争反対の高まりが、あまりにも強く、今、下手に出ると不味いので、お茶を濁して置こうと言うのでしょうか。ついつい、読売や日経を読んでいるとそんな勘繰りをしたくなるのです。今回は殆どの憲法学者が違憲と言っているほどの大きな問題なので、政府を擁護するなら、きちんとそのことを社説や各論評で説明して欲しいのです。

 私はこのような「報道統制」そして、少し前の2013年12月に施行された「特定秘密保護法」そして今度のアメリカや同盟国について後方支援と言いながら戦争をしようとする安全保障関連法案と一連の流れを見ていると、やはり戦前の言論統制に始まり、時の政府に都合の悪い報道は流さない、流させない。重要なことは国民に知らせないという、かつて知らず知らずの内に戦争に流されていった戦前の日本を想像してしまいます。私自身でもついつい戦争に追いやられていった当時の日本を思い出してしまうのに、何故これらの法案を「戦争法案」と言ってはいけないのか、これも理解に苦しみます。この安全保障関連法案は自衛隊法など既存の10法を一括して改正する「平和安全法制整備法案」と他国軍の後方支援をするための「国際平和支援法案」の2つです。うまく纏めてある毎日新聞の文面を借りると「整備法案は日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される「存立危機事態」を規定し、集団的自衛権行使できる法改正を盛りこんだ。国際平和支援法案は自衛隊を迅速に派遣し、国際社会の平和のために武力行使する他国軍を後方支援する。自衛隊の活動範囲は従来の「非戦闘地域」から「現に戦闘が行われている現場以外」に拡大する。」となっています。後方支援というとなんだか食料や武器弾薬の輸送、キャンプの設営や病院の建設などが想定されますが、戦争と言うのは昔から食うか食われるか、戦国の時代でも先の太平洋戦争でも、戦っている人の食料や武器弾薬を貯蔵したり、輸送部隊である兵站機能をつぶすのは戦争では当たり前の戦法で、後方支援は立派な戦地です。これを「自衛隊は守られている、安全だ、戦争ではない」と言うこと自体、不自然な論理矛盾を起こしていると言わざるをえないのです。存立危機事態も説明が曖昧で、そのときの政府が決めると言うのですから、驚きです。今まで、一発も銃弾を撃ってこなかった自衛隊、災害時に役に立ってくれた自衛隊だからこそ、国内外から支持され、認められてきたのであって、それが後方支援をするようになったら、他国軍となんら変わりません。そうなれば、相手は後方支援をしている自衛隊だけを相手にするのではなく、当然、日本国内を狙って来るに違いないのです。北朝鮮だって、あの中国だって、今やミサイルで簡単に日本を襲うこともできますし、原爆を落とすことだって可能です。日本は戦争は絶対にしないと言い続けることが、とても大きな抑止力になっているのです。そのことをもっと考える必要があると思います。

 7月16日、安全保障関連法案は強行採決により衆議院を通過しました。国民の声を聞かない暴挙へ怒りに渦巻く国会を取り巻く人たち、そして巷の人たち。安倍さんだけでなく、唯々諾々と安倍さんに従っている自民党の人たちは国民に対して恥ずかしくないのでしょうか。戦後日本をひっぱて来たのは間違いなく自民党です。安倍さんの子供じみた振る舞いに加担するのは止めて、もっと広く世界を見て頂きたいと思います。喧嘩をするなら大きな国にくっついてした方が良いと言う考え方から、そろそろ脱却するのも、戦後レジームからの脱却ではないかと思います。日本も独立したひとつの国として、相手国を認め対等に話し合うことで問題の解決を図っていくことを、今求められています。アメリカを除くヨーロッパ諸国や東南アジアの国々ではお互いを認め、大人としての付き合い方を模索しています。(かといって、直接の紛争当事者は本音と建前を使い分けているのも事実ですが・・・)
私は、中国やイスラム国の脅威(二つ同列ではありませんが)はわかりますが、相手と同じ土俵に立って、武力を誇示しながらた戦おうと言うことでは問題の解決にはならないと思います。
安倍さんのいう戦後レジームからの脱却は明るく平和な未来を築こうと言うことであって、戦前のレジームに戻ろうと言うことではないはずです。
「集団自衛権の行使は機会があれば、人を殺し、殺し合う戦争を意味しています。そうなったら、自衛隊の問題だけではありません。国全体が狙われ、襲われるようになり、否が応でも国民全体が戦争に巻き込まれると言う、私たち国民が自分のこととして考えなければならない大きな問題です。人を殺すのが私たち自身かも知れないのです。人を殺すことは何処の国でも、最も重い罪です。しかし、自分の意思に関わらず、戦争では命令され人を殺すのが仕事になるのです。これを異常といわず、何というのでしょうか。自分の子供を戦場へ送り出す、その子が人を殺す、殺さなければ殺される、近い将来そのようなことが起きてもおかしくない状況が今作られようとしています。」

 私は支持政党がありません。自民党、民主党、他の野党其々の良さがあると思います。その時々の大きなうねりの中でその時の政権与党が真に国民のことを考え、国家の政をしてくれるのなら、どの党が与党になっても構いませんが、戦争だけは反対なのです。